アスリートとは。
ここでゆづのことを書くのはどうかなと思って迷ったけど、自分の記録のために書いて残しておくべきだと思って書きます。
グランプリシリーズ第三戦、「カップオブチャイナ」略してCoC。中国杯。
この大会の男子FSはスケート界の歴史に刻まれたことでしょう。
今からのことを喋るに当たって、事前に知っておかないとわからないことが多いと思うので、少し説明します。
「グランプリシリーズ」とは。
アメリカ大会(スケートアメリカ)、カナダ大会(スケートカナダ)、中国大会(カップオブチャイナ)、フランス大会(エリックボンパール杯)、ロシア大会(ロステレコム杯)、日本大会(NHK杯)の六つの大会のことで、
毎年シーズン始まりの10月から11月にこの順番で大会が開かれる。
ルールとして、この大会の中で出場できるのは一人2大会が最大。どの大会に出たいか指名でき、抽選ではあるが世界ランキングの上位の選手は割と希望通りの大会に出場できる。
大会で一位になったら15ポイント、二位なら13ポイント、三位は11ポイント……と、ポイントを獲得でき、そのポイントの上位六人が六大会が終わった後に開かれるグランプリファイナルという試合に出場できる。
ここで付け足しだけど、グランプリファイナルに出場するためには、出場した二大会両方で台乗りしないとまず行けない。
そして第三戦で万を辞しての五輪チャンピオンであり、昨シーズン三冠達成をしてる羽生結弦の登場。
第一戦、第二戦と日本選手が優勝してるからこのまま波に乗って、第三戦も日本選手が優勝だ!と必要以上に煽る各方面のマスコミ。(まあ、仕方ないんだけどね…)
ところが、SP(ショートプログラム)ではまさかのミスを連発し、二位発進のゆづ。
それでもFS(フリースケーティング)で逆転勝利をしてくれると誰もが思ってた。この人は、追いかけられる方より追いかける方が燃えて、とんでもない力を見せる人なので。SPが終わって、超悔しそうな顔してるゆづ見て、スケヲタもゆづのファンも私も、みんなが、ああこの人に火を付けさせてしまった。これはFSで取り返すはずだ。と、思ってた。
余談だけど、この人スケヲタの中で「フリルを着た阿修羅」と呼ばれてるのね(笑)可愛い顔してるし普段はほんとに穏やかな性格だけど、それに騙されたらとんでもないことになるぞと。表彰台の真ん中に乗るのは他の誰でもない、この俺だって多分ずっと思ってるからね。フィギュアスケートって実力も勿論大切だけど、精神力も強くなきゃ試合で勝てないからゆづのこの強気で負けず嫌いで頑固な性格はほんとにスケートに向いてるんだけどさ。
まあ、そんなことは置いといて。
いざ、FSの日。
6練(6分間練習)でリンクサイドに姿を現したゆづ。いつもの笑顔は封印して、殺る目をしてるゆづ。ああ、また気合いの入った顔してるわこの人…と苦笑しながら見守ってた。
まさか、まさかあんなことが起こるなんて。
ほんとにこれは悪夢だと思ったし、目の前の光景が信じられなかった。
応急処置をしてもらい、リンクサイドに出てきたゆづ。
そこでゆづが涙を流した。
この時の涙はきっとゆづ自身も自分に何が起こったかまだよく把握できてなくて、脳が処理しきれてなくて、混乱してるがただただ悔しい涙だ。
悔しいのと混乱の涙が止まらず、下を向くゆづ。
その時、オーサーコーチがゆづを見て、言います。
「Look at me (僕を見て)」
と。
泣きながらも顔を上げて、オーサーの顔を見るゆづ。
オーサーは英語で続けます。
「深呼吸して」「もしここでリンクに入るなら落ち着いてゆっくりやりなさい」「身体が一番だぞ」と。
ゆづはオーサーの言うことを聞いて、小さく息を吐いて、しっかり頷きます。
ああ、この頑固な頑固な19歳はコーチのことはきちんと言うこと聞くのだと、ゆづがオーサーのことは心から信頼してるとわかって安堵した。
ゆづを応急処置してくれたのはアメリカの医療チームなんだけど、そこにどうやら脳震盪の先生も見て、脳震盪の疑いがないかきちんと検査してくれてたみたい。で、脳震盪の疑いがないと判断され、ゆづ本人が「出る」と言ったからオーサーはゴーサインを出したと。
この応急処置したときに脳震盪の先生がいた話は、ゆづの精密検査の結果が出た後にわかった話なんだけど、なんでこの情報がもっと早く出なかったんだろう。
脳震盪の先生が脳震盪の疑いがないから試合に出ると一言情報を入れてくれたら、どれだけの人が安心して試合を見れてたか……。
中国杯の関係者が応急処置をしてるゆづをカメラに映そうとするテレ朝カメラマンに何度も何度も「映したらダメだ」と罰サインを出してた。
映さなくていいところは必要以上に映すくせに、必要な情報は一切与えてくれないテレ朝は正直言うと問題だよ。
6練が再開されて、リンクに飛び出るゆづ。
生で見てた時は、ほんとにやめてくれもう滑らないでくれ…って号泣しながら心の底から思ってたし、ゆづが何かを振り切るように狂ったようにジャンプを跳んでるようにしか見えなかった。
あの時感じた震えは、感動でもなんでもなく恐怖だった。
ジャンプ跳ぶ度にどこか痛そうな顔するゆづに、どうしてそこまでして滑るんだ、お前のその華奢な背中に何を背負ってやっているんだ、と。
恐怖しかなかった。
精密検査の結果が出て、ゆづに脳震盪の疑いが完全にないことが分かり、やっと、あの恐怖の6練を、録画再生することができた。
やはり前半は改めて見ても怖い。
でも後半、それまで死にそうな顔で必死に滑っていたゆづが急に穏やかな顔になってどこかを見て頷く。
そしてジャンプを跳ぶ予定のところを次々指差して、確認してるの。
ゆづはこのFSの演技の予定では前半に四回転ジャンプを二本、後半に一回跳ぶ予定だった。
でも今のこの満身創痍の体ではとても三回も四回転を跳べない。
後半はジャンプの基礎点が1.1倍になるっていうルールがあるんだけど、後半の四回転ジャンプをミスしたら点数を稼げない。
そこまであの状態の彼は理解してたんだろう。だから後半の四回転ジャンプを違うジャンプに変えることにしよう、と、あの観客も周りも全員が自分を見てどよめいてる中でゆづはそう考えてた。
フィギュアのルールはややこしくて、ただ跳びたいジャンプを跳びまくっても点数が出ない。単独で同じジャンプを二回跳んだら、片方のジャンプは丸々0点になるし、ジャンプの種類によってこのジャンプは何回までと細かく決められてるのね。
だからジャンプの種類を変更するにあたってルールに引っかかってないか、ジャンプの数はきちんと足りているか、あの6練中にゆづは指を指しながら数を数えて計算してた。
怪我して15分くらいしか経ってないのにもう彼は冷静を取り戻してる。そして勝つためにジャンプの構成を見直してる。自分の体の限界もわかってて、痛む体に負担がかかりそうなものは全て省いて、その代わり今の体でも出来るものを取り入れて。
きっと、あの会場の中で、怪我した本人の彼だけが冷静だったんだ。
生で見てたときは、全然わからなかった。
やめてほしい、ただそれだけの思いで見てたから。
でも改めて見ると、6練後半にしてこの人の冷静さ。
そしてただ滑りたい、じゃなくて、滑る上で勝とうとしてる。
これがアスリートなんだと、彼は戦いの世界で生きてきてるんだと、しみじみ実感した。
変更するジャンプ構成を計算し終えて、ルールに引っかかってないってわかった瞬間、うんっと力強く頷いて、すぐさまジャンプの助走に入ったゆづ。
そして後半の変更するジャンプをすぐさま確認のために跳んだ。
跳んで力強くまた頷いたゆづ。よし、これならいける。これなら大丈夫。と。
そして6練終了。
裏側に消えるゆづ。
そこから自分の演技の番まで50分弱。
裏で更にオーサーとゆづはFSを練り直してたんだろう。
自分の演技の番の間近になってリンクに出てきたゆづ。
前の人の点数発表までしばし時間があるんだけど、そこでも彼は後半の変更するジャンプを入念に確認してた。
そして名前がコールされ、ついに演技が始まった。
ここからジャンプの種類も具体的に書くから、専門的になりすぎるけど、ちゃちゃっと飛ばしておくんないまし。
まずは4S。
転倒。だけど回転はしっかり足りてる。そして4Sは万全な体でもよく転倒するので、まあこの体じゃ無理かなってある程度思ってたから回転足りてるだけで問題なし。
次、4T。
4Tは普段は確実に決めてくるので、ああやっぱり万全の調子じゃないよなと思いつつ、回転はしっかり足りてるからオッケー。
思うに、この二つの四回転ジャンプの着氷はゆづは最初から諦めてたんじゃないかと。
今の足では四回転ジャンプの衝動に耐えられないからきっと着氷はできない、と。でも回転さえ足りてればある程度の点数は出る。転倒の上、回転不足はかなり点数を引かれるけど、回転が足りてたら点数はほとんど引かれないんです。
だから着氷は諦めた上で、でもしっかり回転が足りてればオッケーだと。
そして次は3F。
綺麗に着氷。しかもよくフリップでエッジエラーが取られる人なのに、今回は取られてない!感動!
ここで二つのスピンを挟むのだけど、これもうまいこと変更してきてる。
当初の予定は、
このドーナツスピンと
でもこれは写真でも見る限り、相当腰に負担がかかる。
だからこの二つをやめて、足変えシットスピンや、A字スピンをうまいこと入れて変更してる。変更した上で回転数は足りてるのでしっかりレベルを取って、点数を稼げてます。
そして後半戦に入る。
まずは3Lz-2T。
よし、決まった!ここが彼が変更した部分です。最初の予定は4T-2Tで四回転ジャンプのコンビネーションを跳ぶ予定だったのをルッツジャンプに変更。変更して何度も確認した結果が出て綺麗に着氷出来てる。すごい!
次は3A-3T。
ほんとはアクセルのコンビネーションを予定してたはずが、大得意の3Aで転倒してしまいコンビネーションを付けれず。ゆづが3Aをミスすることなんかまずないので、やっぱり体随分酷いんだなと改めて再確認した。
次は3A-1Lo-3S。
完璧に決めた。前のジャンプでミスった3Aも綺麗に決めた。なんでマスコミ各方面がこのジャンプを褒めないかがわからない!これ基礎点が16点ぐらいあって、今シーズンのジャンプ基礎点ランキングでは今のところゆづのこのジャンプがトップなんだよ!あの体で基礎点が一番高いジャンプを成功させてるんだよ!すごいよ!すごすぎるよ!後、このジャンプを決めたのは彼が初めて。こんな状態で誰も一度も跳んだことのないジャンプを見事決めるとは。ほんとにこの男恐るべし。
次、3Lo。
いつも余裕のよっちゃんでウォーミングアップで跳ぶループで転倒。しかもこのジャンプは明らかに回転が足りてない。満身創痍な体に加えて演技途中に肉離れを起こしたと聞いたんだけど、多分肉離れを起こしたのはこのジャンプでじゃないかと予想してる。
明らかにさっきまでと調子が違う。
最後のジャンプ、3Lz。
回転は足りてるが転倒。もう三回転ジャンプでさえ着氷する気力が残されてない。立ち上がるのも辛そう。それでも立ち上がって演技を続けるゆづ。
ここからのイナバウアーをするつもりだったんだけど当初は、
イナバウアーこれね。
やはり腰が痛むし頭も痛むから、イーグルという技だけしてます。
この両足を外側に開くのがイーグル。
簡単そうに見えるけど、イーグルって技を出来る人はあまりいません。
半信半疑の人は地上で一回足を綺麗に外側に開いてみて。痛くて綺麗には絶対出来ねぇから。
イーグルも点数はしっかりもらえるので、そこでまた点数を稼ぐ。
最後のスピン。
肉離れ起こしてるのになんでこんなに回転が早いんだ。ゆづはジャンプが得意という印象しかない人多いみたいだけど、スピンもほんとに繊細で回転も早くて沢山の種類を持ってて大得意です。男子選手でここまで軸ぶれせず回転が早い人中々いないから今度見たときスピンに集中して見てみて。
そしてやっとの思いで演技終わり。
とてつもなく長く感じた4分20秒だった……。
何がすごいってリンクに入ってから、彼、一回も痛そうな顔しないの。
必死な顔で滑ってるんじゃなくて、表情もきちんと作ってるの。歌を口ずさみながら気持ち良さそうに滑ってんの。
リンクサイドに行った瞬間、やっとアドレナリンが切れたみたいで、足を引きずって痛そうな顔するの。
リンクに出るまで演技してた。彼はプロだった。真のアスリートだった。
ボロボロのゆづ。キスクラには行かなくてもいいと言われたのに、行ったゆづ。
あ、キスクラとはキスアンドクライの略で、点数発表されるところ。
ここのことです。
生のときは解説者の稔や修造が熱くなっちゃって散々うるさかったので、全然オーサーとゆづの会話は聞こえなかったけど、YouTubeで解説なしの動画があがってたのね。
それを見て鮮明に聞こえた二人の会話。
オーサーが英語でゆづに言います。
「メディアはなしね」「すぐに医療室に直行だよ、わかった?」「医師に見てもらおう。大丈夫か確かめないと」
オーサーがこれらのことを話している間、コクンコクンとただ頷くだけのゆづ。
そしてプーを取って、頭を撫でながら「ごめんな」と口パクで。
しばらくして「OK」と言うゆづ。
そして一言。
「With this, I don't go to final…(これで、ファイルに行けなくなっちゃった…)」
と。
この人、この状態で演技したことだけでは全然満足なんかしてなかった。グランプリファイナルに行きたいことが彼の何よりもの思いだったんだ。
ちなみに、ゆづはシニア二年目(16歳)の時から今まで毎年グランプリファイナルに出場してる優等生中の優等生です。そこで四位、二位、一位と確実に結果も残してる。去年は優勝したから今年二連覇がかかってるのね。
ゆづの「ファイナルに行けなくなった」を聞いて大袈裟にガックシするオーサー。そんなオーサーを見て「ふふ」と笑うゆづ。このオーサーのガックシは、「こいつはこんな状態なのにまだこんなこと言ってるのか」って感じなのかな?(笑)ね。そう思うよね(笑)
オーサーが英語で続けます。
「いや、どうかわからないよ」「でもまずは体を治さないと、わかった?」「明日はきっと体中が痛いよ」「エキシビションはナシね」
うんうんと頷くゆづ。
そこで「羽生結弦選手のスコアは〜」とアナウンスされます。
オーサーは続けます。
「これ(点数のこと)は関係ないからね」
「大事なのは出場して滑ったことだから。それが大事だよ。」「僕が君を誇りに思うところはそこだから」
オーサーはゆづの顔を見てこう言うが、ゆづはここで頷きもせずジッと点数が表示される画面を見てます。
そしてスコアが表示される。
え!?とオーサーの顔をバッと見るゆづ。
「What happened!?(何が起こったの?)」というゆづ。
そして「OMG〜」と言って泣き出すゆづ。
この彼の涙の理由は…、「この状態でも滑り切れたこと」でもなく、「こんな状態で滑ったのに暫定一位に立てたこと」でもなく、「ファイナルに望みを繋げることが出来た」っていう涙なんだね。
この時点で暫定一位で、残るのはコフトゥンのみ。つまりコフトゥンがゆづが抜かしても二位。台のりは確定。13ポイントはもらえると言うことです。
彼はこの状態で演技できたことに泣いたわけではなかった。それならば演技終わった瞬間に泣いてるはずだから。見てる人も観客もみんな演技おわって大号泣だったのにゆづはそこでは一切泣かなかった。満足してなかったからだ。
私はだからこのタイミングで泣いた理由は、こんな状態で滑って暫定一位に立てたからだと思ってた。
でもキスクラでのゆづとオーサーの会話は聞いて違うとわかった。
オーサーは「この点数は関係ない。大事なことは滑ったこと」と点数が出る前にゆづを励ましたのに、それに対してゆづは頷くこともせずスコアが出る画面だけをジッと見てたからだ。点数は大事じゃない、とオーサーに言われたが、ゆづからしたら点数が一番大事だった。
満身創痍な状態で滑り切ったことでもなく、世界中を感動させたことでもなく、彼の中では点数が一番大事だった。
そして言った「ファイナルに行けなくなっちゃった」
一度は諦めかけたファイナルが見えてきた瞬間、ゆづは涙を流したのだ。「滑ってよかった」と。
真のアスリートは泣く理由さえも、アスリートだった。
そのあと、泣き崩れながらもしっかりと言った「ありがとうございます」と日本語で。
最後の最後まで礼儀を忘れなかった彼。
リンクを出る時もいつものように腰が痛いのにきちんとリンクに向かって礼もしてた。
この氷の上で戦った男をかっこいいと呼べなくて誰をかっこいいと呼べよう。
この人が私が好きになった人だと思った。
NHK杯、彼はどうするんだろう。
一市民の私たちが彼が決める前から「出るな!」と言うのは間違ってる。
今回のことでほんとによくわかったのは彼はきちんと自分の体の状態をわかっている。わかった状態で判断している。
この人は頭がいいから大丈夫だ。
彼の決断を待とう。
もし出ると決めたならまさかの嵐京セラとだだかぶってるけど「がんばって!」とできる限り応援するし、
出ないと決めたなら「全日本までゆっくり休んでまたリンクに戻ってきてね」と言える準備をしておこうかな。
でもこれだけは忘れないで、ゆづ。
あなたは確かに誰にも迷惑はかけなかった。迷惑はかけなかったけど、沢山の人に心配をかけたってことを。
あなたを愛している世界各国の沢山の人が、あなたの精密検査の結果が出るまで眠れぬ夜を過ごしたということを。
氷の上で誰よりも輝くあなたが、スケートが大好きなあなたが、一生スケートが出来なくなるかもしれないと恐怖と不安で震えていたことを。
月曜日の報道ステーションで大会が終わって、帰るゆづを修造がインタビューした。
「今日の羽生選手を見て、みんなが伝わったと思う。”諦めない”と言うことが」
って言った修造に、ほんとに心からの安堵の笑みを浮かべて「よかった」と言ったゆづ。
「でも諦めなくて本当によかったと思ってます」
と穏やかな笑みを浮かべてこう続けた。
これを聞いた瞬間、胸のつかえが完全に取れた。
あなたが心の底からよかったと思ってるなら、後悔してないなら、それでよかった。
いつでもいい。いつまででも待つよ。あなたがまたリンクに戻ってくる姿をずっと待っています。
FLY YUZU !!!
ここでゆづと衝突した18歳のハンヤンちゃんのことを。
彼は精密検査の結果、脳震盪の疑いが出てます。
なのに、検査三日後に練習を再開してて来週の大会に出ることも決めている。
ハンヤン、あなたには言いたい。
もう少し待ってくれ、と。
脳震盪の疑いが出てるならもう少し安静にするべきだ。
思うに、ゆづとハンヤンが衝突した時、ゆづは中々その場から立てなかった。しかしハンヤンは割とすぐに立ってリンクサイドに自分で行った。
ここでハンヤンは軽傷だと思われたのかもしれないし、なんたってゆづは五輪チャンピオンで、今日本だけではなく世界中で大人気だから、誰もがゆづばかり見てた。
アメリカの医療チームもゆづの治療をしてたし、ゆづの周りには20人弱もの人がいて治療していたのにも関わらず、ハンヤンには私が確認した限り五人程度しかいなかった。
ゆづはしっかり治療してもらったけど、ハンヤンの治療は疎かだったのかもしれない。
ゆづのその時の状態はオーサーがきちんと日本のメディアに話をしてくれてるから、脳震盪の疑いがないかゆづに英語で数字を逆から言わせて、きちんと言えたことや、混乱してるゆづのお母さんにゆづ本人が事情を説明しに行ったことや、ゆづがその時どれほど冷静だったか教えてくれたから安心した。
でもハンヤンは本当にその時脳震盪の疑いがなかったか、誰がゴーサインを出したかなどの情報が全く出てない。
棄権する予定だったのに、出ることにしたのは誰の意志だったか、そして誰からオッケーをもらったか。
改善すべき点は沢山あるし、ハンヤンのことは情報が少ない分不安です。後遺症に悩まされることのないよう、しっかり考え直してほしい。
ゆづはスケート選手からも大人気だし(あの可愛い可愛いロシアっ娘たちや中国女子選手はみんなゆづが大好きで、あんな可愛い子たちにモテるゆづズルい)、男性スケートでも仲良しな選手が沢山いるけど(ハビとゆづの関係は少し危ないぐらいだ)、ハンヤンはシャイボーイで中々外人スケートと打ち解けられない中でもゆづには心許してる感じで、バンケのたびに二人のツーショットのお写真が出るぐらい仲良しなので、ハンヤンがわざとぶつかったとか言う人には怒りしかない。
二人とも未来がある若い大好きな選手だから、二人とも良くなりますように…
こんなくそほど長い文章、読んでくれた人はありがとう。