ヘルシンキにも桜咲く

4月1日の夜。

どうしようもない緊張と、拭っても消しきれない恐怖の中、私が見たものは。





信じてなかったわけではない。もう無理だと決めつけてたわけではない。羽生さんならいけると思いながらも、今回は恐怖の気持ちの方が大きくて。

SP終わった後に、「FSでいくらでも巻き返せるって!」「あの人FS番長だからやってくれるはず!」と軽々しく言いながらも、心の中では、SP五位スタートか、と。一位とは10点以上差があるのか、と。

正直に言うと、優勝は無理かもしれない、と。そう、思ってたんです。

だから本当に怖かった。SP終わってから二日間、FSはノーミスで滑って大逆転優勝で表彰台の真ん中に立つ羽生さんを何度も何度も想像してみては、その自分の想像の逆転劇を信じきれなくて。想像は容易に出来てたのに、中々信じきれなくて。

彼が本当に欲しいのは五輪二連覇だから。本番は来年の平昌五輪だから。今回のワールドで結果が良くなくてもいいじゃん。平昌シーズンが本番だからいいじゃん。もうGPF四連覇してるし、ワールドの金メダルも五輪の金メダルも既に持ってて、輝かしい成績を既に収めてるんだから今回ぐらいはいいじゃんって。


必死に必死に言い聞かせて。



でも、良くなかったです。羽生さんが結果が悪くて「まあ、いっか!」って言う人じゃない事ぐらい全力で知ってたし、私も今までそんな羽生さんのファンをしてるだけあって、そんな事を言う羽生さんを見て「うん、いいよいいよ!」なんて声掛けれるほどヌルい気持ちは持ってない。

羽生さんが死ぬほど負けず嫌いで、どんな時でもどんな状況でも、「勝ちたい」「金メダルが欲しい」と言ってきただけあって、そんな羽生さんファンの私も死ぬほど負けず嫌いで、彼にどの試合でも一位になって欲しいと思ってる。

羽生さんが負けたら彼が悔しいのと同じぐらい私も羽生さんが負けたことが悔しいし、悔しいし、悔しい。


これが完全な私の本音なのに、今回のワールド、SPで思ったよりダメージくらって、マイナスな事ばっか考えてた。

羽生さんは、彼だけは、一度も諦めた事なんかなかったのに。




FSの羽生さんの演技、凄かった。
凄くて、凄すぎて、元から皆無な語彙力が更に吹っ飛んで、この言葉しか出てこない。

緊張と恐怖で震えながらテレビにかじりついて、この演技を見せられて圧巻過ぎて完璧すぎて言葉が出なかった。

演技が終わる最後まで涙も出なかった。

ゾーンに入ってる人の演技って凄い。彼は一度も諦めてなんかなかったのに、SP五位という結果を受け止めた上で「金メダルが欲しい」とハッキリ口にしてたのに。私は心のどっかで彼自身は全く望んでない彼の逃げ道を勝手に作ってたんだなって。ほんと馬鹿だなあって、めちゃくちゃ反省しました。

いつもの「よ!FS番長!さすが!」っていう軽いやつでは済まされないぐらい、凄まじい追い上げ。この人ってやっぱり王者だ。絶対王者だ。

ハビも、昌磨も、ネイサンも、ボーヤンも、パトリックも。世界トップ6に入る選手たちは真・四回転時代と言われるだけあって、確かに高難度のジャンプを沢山入れた難しいプログラムを演じることはできる。

でも、そんな中で、FSで難しいプログラムを完璧な質で全て完璧に演じ切ったのは羽生さんだけだった。

男子フィギュア自体のレベルが上がりきってる故に、トップスケーター達は確かに難しいエレメンツを入れた難しいプログラムをほぼ完璧な質で滑ることはできる。だけど、羽生さんだけは”ほぼ”完璧ではなく、難しいエレメンツを難しそうに決して見せず、最高の質で「完璧」に滑りきった。

FSプログラムをまとめ切ることは容易ではない。さらにそれをほぼ完璧に滑ることは難しい。そして、それを「完璧」に滑ることは並大抵のことではない。


その「完璧な演技」を羽生さんはやった。羽生さんだけは、出来た。この大舞台で。SP五位スタートで、絶対に金メダルを獲りたいという強い気持ちだけを持って。

これが彼と、他の選手との違いで、彼の真の強さだ。「ほぼ完璧」と「完璧」は微々たる差に見えて、実は圧倒的な差だと思うのです。


勝手な憶測ではあるけれど自分のプログラムをジャンプ全部降りて最後まで滑り切れたらいいなあと願うのが普通の選手だとしたら、羽生さんだけは自分のプログラムを全部全部全部完璧に演じきってやるぜという考えな気がする。


ああ、羽生さんがそんな考えを持つ人で良かった。彼が自分の強さを最後まで信じ切れる人で良かった。自分を絶対的に信じる自信を持ってる人で良かった。最後まで諦めない徹底的に負けず嫌いな人で良かった。……本当に本当に、良かった。



この大逆転優勝は奇跡なのかと聞かれると、奇跡では決してない。

彼が諦めずに自分を信じた結果であり、死に物狂いで自らの手で掴んだ必然的な勝利だ。


相変わらずの圧倒的主人公ぶりで、歩く少年ジャンプの名 健在で、もう憎いぐらいかっこよかった。

そんな想いと同時に、演技が終わった時に私は「ああ、頑張ったねえ」と何度も思いながら泣き、表彰台の一番高いところで和かに笑う彼を見て「ああ、よかったねえ」と何度も何度も思いながらホッとしたんです。すっっっごいホッとした。


羽生さん、本当におめでとう。
本当に本当におめでとう。

自分が一番とらわれていたのは過去の自分だった。あの110、220、330という(SP、フリー、合計の歴代最高の)数字にすごくとらわれて、すごく怖くてここまでやってきていた。何とか1点でも0.5点でも0.1点でも超えてくれと思っていた。

優勝した後に出た羽生さんのこの記事の言葉。

誰かを追いかけるわけでもなく、逆に常に他の選手全員に追いかけられる立場で、自身が追えるのは過去の自分の点数で、自身が目指すのは過去の自分を超えること。

それはたぶん誰も想像できないぐらい過酷で壮絶な戦いだと思う。

いつも強気で決して弱音を吐かず前を向き、上を目指し続ける彼が、その心の奥で何度孤独を感じ、何度挫折しかけて、何度過去の自分に負けそうになったかはきっと彼自身しかわからない。

それでも、彼は絶対に諦めないでくれた。挫折してもアクシデントがあっても前を向き続けてくれた。


そして、ほらね。彼は今回また壁を超えた。過去の自分に打ち勝って、勝利を掴んだ。

彼の勝利に多大な祝福を!
彼のこれからの輝く未来を願って!


自分用に羽生さんの伝説のFSの各国の解説を文字起こししておきます!ニコ動に翻訳してくれてるのを文字おこししてまとめてるだけです!
いつも訳してくれる神様、本当に助かってます🙏




  • ユロスポ解説


3A-1Lo-3S跳んだ後に、

「ああ、本当にとんでもない人だ!!」

演技後、

「本当に今までのフィギュアスケートで、最高の演技だ!!!恐らく史上最強の演技でしょう!」

「ただただ素晴らしい。感動の声があらゆる所から降り注いでるよ。なんという素晴らしい演技!ミスがなかったよ!」

「メダルはどうかと思われましたが、間違えなく手が届くでしょう。ああ……。六分間練習ではフラストレーションが溜まっていたけど、ふたを開けてみればこの演技だよ!この人はとんでもない人だよ!本当に!!!」

「彼は、自身の世界記録でフィギュアスケートのレベルを押し上げた人だ。そしてここで新しい世界記録が生まれる」

「それに関しては疑う余地がないね!本当に、今までで一番『大きな』プログラムだった。あの四つの完璧なクワドだよ!各々のエレメンツのGOEも凄く凄く押し上げられてる。その中にはGOE2.5点を加えられるものもいくつかあるよ!」

「そして、この青年の精神力といったら、とんでもないね!観客からエネルギーをもらってる。彼と観客がお互いにエネルギーを吸収し合ってるね。そしてこの人たちは競技を楽しんでる。彼は最終グループの選手達に大きなものを投げ込んだね」

「それが彼の力だよね。練習ではああだったのに、本当に何が起こったんだろう!?」

「ほんとに、クレイジーだよね!!大切なのは練習の六分ではなくて、その後の四分半なんだよ。自分一人がリンクにいるとき。彼はうまく活用した。もしかしたら、この演技だったら勝てるんじゃないかな!?」

スコア発表後、

「見てよ、これ!!!!」

「223.20点!これは歴史上の最高のスコアだよ!!!」


  • ロシア解説

演技中はひたすら黙る。

演技後、

フィギュアスケートを知らない人も、今目撃したものが天才的な演技だってことはわかると思う。全部が理想的に演じられていて、何もコメントすらできない。全てが最高レベルだ。」

「みんな一体になってる。この会場にいるみんながこの世界的レベルのフィギュアの天才を歓迎している。」

「僕はほぼ間違ってないと思う。今日このグループで僕らはこれと同じ位のレベルのものをもう全く見られないと思う。もちろん一位争いは終わってないし、ハニューのSPは一位じゃない。でもこの演技を超えることはほとんど不可能だろう」

「昨日、友達と冗談を言ってたんだけど、今日はウィニー・ザ・プーの雨が降るんじゃないかって」

「実際降ったし、降り続けるだろうね」

ブライアン・オーサーが彼を抱きしめてましたが、非常に感動的で、とても公正なものでした。」

「この世界選手権の世界記録はまだ、メドベージュワの演技で終わってませんよ。今羽生が見せたものは素晴らしく、天才的なものでした。」

点数発表後、

羽生結弦自身の記録に3.5ポイント加えてきましたね。羽生が新たな世界記録を打ち立てました。FSの最高得点を完璧に更新しました。羽生の記録を生で見れるとは……。まさに歴史的な大会だ。」


  • 中国解説


中国解説も相変わらず演技中は黙る。

演技後、

「曰く、成功を図るのは易しいが、成功するのは難しい。成功を守るのは易しいが、最終の成功を守るのは難しい。」

「かつての五輪王者として、羽生結弦は桜が咲くような決意で一回一回毅然と国際試合に立ちます。」

羽生結弦は流石はハイレベルなスポーツ選手です。とても素晴らしいFSを披露しました。全くミスがなかったと言っていいでしょう。完璧に滑り切りました。祝福しましょう。」

「他の三つの種目と比べて、男子シングルはここ数年でのレベルの上昇と、新しいルールの制定で、選手達は何度も自分に打ち勝たなければいけません。その戦いは様々なリスクと不確定性を伴います。羽生結弦のSPの失敗は、このような極限の何度への挑戦のため伴ったリスクの結果です。そのため羽生はSPを五位で終え、第一滑走としてFSに臨みました。」

「私たちは拳を握りしめて見ていました。滑り終わった後、私たちは二人とも目に涙を堪えました。彼は特に、羽生結弦はいつもあなたの心の一番柔らかいところを感動させます。」

羽生結弦はとにかく、力の限りを尽くして滑ります。アスリート魂が漲ってるのが見てわかります。彼の目つきを見てください。彼はどんな挫折を味わおうとも、不屈の精神がその目に宿ってます。彼の容姿、彼を近くで見るととても秀麗な若者のように感じますが、心は無比の強さを誇ってます。心には虎が住んでいるのです。彼はどの大会でもプレッシャーに耐えられます。」

「他人から見たどんなピンチに陥ったとしても、彼は改めて己のズバ抜けた実力を発揮することができます。

点数発表後、

「223.20点。男子シングルのスコアは、羽生結弦のみが次々と更新できます。更新したのは自分の記録です。他人のものではありません。彼は全てを有するのに値します。全ての素晴らしいもの、全ての栄誉に値します。」

「再び自身の世界記録を更新したことを祝福します。彼の滑りと点数には他の選手もひれ伏して祟めるしかありません。」


相変わらずの中国解説の圧倒的語彙力……。これだけ冷静に、教養力のある綺麗な言葉を並べられると本当に嬉しい。中国解説の例え方や言葉はいつも素敵。


  • イタリア解説


演技前、

「ユヅルハニュー。母国のレジェンド。いや、母国だけではない。彼の運命を支配するのは彼だ。何故ならもし彼が完璧なFSを滑ったら、この試合に勝つ事もできるからだ」

演技中、

「奇跡のように素晴らしい4Lo。傑作選に入る4S。3Fは難しいステップで挟んで、ファンタスティコだ。4S-3T!完璧だ!!!」

3A-2Tタノを跳んだあたりからマッシさんの鼻をすする音が…(笑)羽生さんの演技見ながらまさかのめっちゃ泣いてるマッシさんwそしてここまでマッシさんは一回も喋ってませんwww

最後の3Lzを跳んだ後、

「全くミスをしなかった!これは新しい歴代最高得点だ」

演技終わる少し前にマッシさん登場。

「惑星ハニューにおかえりなさい!!!住人は一人、彼だけだ!!!!!!!君が続けてくれる?僕はもう無理だ……(大号泣)」

「(大爆笑)凄まじい。羽生結弦がこれまで滑った中で最高のプログラム、すなわち史上最高のプログラムだということだ。技術点125点は……なにか戦慄が走る得点だ。ライバル達を全滅させる事ができる。演技構成点は90点を大幅に超えるだろう。このプログラムは……」

「90点?僕はこんなジャンルのプログラムは初めて見た。これに100点を与えないなんてありえないだろう!!!!!!!全ての項目で10点を与えるべきだ!何故ならこんな代物は未だかつて誰も見た事がないからだ!!!」

「Interpretation(曲の解釈) 10点!Choreography(振り付け) 10点!Transitions(要素の繋ぎ)、議論の余地があると思う?それから他の項目は、Performance…」

「「10点!!!!」」

(まさかのハモる解説者たちwww)

「Performanceは絶対10点だ!!!」

「Skating Skills。これは君たちが見る事のできる最高のものだ!!!未だかつて見た事がない究極何度のステップ!繰り返すけど、君が続けてくれる?僕は泣いてしまってる。だってこれは驚異的なプログラムだ。これはスポーツ界全体における歴史的瞬間だ。恐ろしい。人類のレジェンドだ。」

「そう彼は生きた伝説だ。さあ、圧巻の得点を待つとしよう。220点を大幅に超えるだろう。何点超えるか見てみよう(笑)恐ろしい。僕達は既に彼の途方も無い演技を何度も見てきたけれど、こんな羽生は未だかつて見たことがない。」

「SPの後、思うところがあったんだろう。彼の頭で何かスイッチが入った。彼はあの得点に納得してなかった。」

「そしてここでヒエルラキーを再設定した。他の選手達にとって滑るのは非常に困難になった。」

「言っておきたいけれど、史上最高TESは120.92点、演技構成点では彼は98.56点に達した。でも今回は10点満点を引き出す属性が必要だ。何故ならこんなプログラムはフィギュアスケート史上、未だかつて見たことがないからだ。」

「羽生は圧巻だ。………本当に圧巻だ。」

「僕は言葉がないよ。これは圧巻の演技。思い出してほしいけど、日本の男子選手で、世界選手権を二度優勝した選手は誰もいない。」

点数発表後、

「223.20点。演技構成点97.08点はスキャンダルだ。」

「本当にスキャンダルだ(笑)」

「正式に記録しよう。これはあり得ないことだ。223.20点は、この競技史上最高のFSプログラム。さあ、彼を捕まえられるものなら捕まえてみるがいい。」


いやあ、イタリアおとん解説最高ですわ(笑)

興奮して、泣いて、また興奮して、喋りまくって、世界最高得点が出たのにPCSの低さに怒って、周りの選手に宣戦布告をするという(笑)最高に愛がある解説。

何度も何度も聞きたくなる解説。


  • イタリア解説②

イタリアマンマ解説きたよきたよー!!!


演技終了後、

「全く失敗なしで終わりました。マンマミーヤ!素晴らしすぎます!」

二人ハモって「「マンマミーヤ!!ファンタスティコー!!!!!!」」きましたー!!!www


「なんて完璧さでしょう!勝ちに出ました、凄すぎました。そもそもSP五位にいるのがおかしいぐらいです。」

「全く信じられない演技。ワールドレコードでしょう。スコアを見てください。即に125点を超えています。」

「世界記録を持ってる羽生ですが、それを超える演技をすると想像できたでしょうか?」

「ブライアンオーサーはまた言葉もないでしょう。こんな完璧で。完璧さだけを求めているのです。」

「全て軽やかにこなしていて、見てください。全てに2点以上のGOEに値するわ。よんかいてんを飛んだこともそうだけどその難しいジャンプをプログラムとして成立させるところが凄いわ。」


ところどころ訳がまだ来てませんが、それでもマンマ達がめちゃくちゃ興奮してるのはわかる!w


  • フランス解説


アニックさんの声が他の海外の解説動画にも入っててほんと面白いw

演技中、

「この日本人選手は、間違えなく今シーズン最高のプログラムを演じています。これは表彰台の一番高いところに届くか。」

「このプログラムは傑作です!大傑作です!!なんて素晴らしい!なんて素晴らしい振り付けでしょう」

「今日僕らが見てるのは、最高のアスリートの戦いだ。」

「皆さん、この大歓声が聞こえますか!皆さん、聞こえますか!!」
演技終了。

「素晴らしい、ユヅルハニュー!!素晴らしすぎです!!!日本国旗が会場に次々上がっています!!!この中で黙っていろと言う方が無理というもの!!!!アニックもフィリップも立ち上がっています!!!」

この言葉にニコ生のコメントで「黙ったことなんかなかっただろう」「いつも喋ってるよね?」と総ツッコミされてて吹いたw


「こんなの立たないでいられないよ。座ってるなんかあり得ない。」

「これは、今まで見たシニア男子のプログラムで一番のプログラムだわ。こんなの見たことがない。」

「おお、なんて言いましたか?もう一度言ってください!」

「ええ。これは男子のフィギュアスケートの歴史の中でも、滅多に見ることのできない最高のプログラムの一つだわ。滑走グループ一番滑走で、後にまだ五人控えてる状態で、この凄い選手がそれでもSPで五位で、トップのスペインの選手とは10点もの差があったのよ。」

「五つの三回転、内二つは3Aと四つの四回転。これら全てがエレガントで質が高いので、全部に加点がつきます。」

「プログラム全体で最低でも28回転してるよ。凄いよね(笑)」

「確認しますが、FSの世界記録はすでに彼本人が出しています。」

「でも今日はもっとよかったわ。何度も言うけど今日のは間違えなく今まで見たシニア男子のプログラムの中で最も素晴らしいものだった。」

「フィギュアの歴史の中でね。」

点数発表後、

「ほらね!!つまり、彼が自分の世界記録を破ったのね!!そりゃそうよ!こんな素晴らしいプログラムはシニア男子の歴史の中で見たことないもの!」

アニックさん、その言葉を言うのすでに3回目です←

「こんな前代未聞の大傑作をこの番組で皆さんに届けることができて本当に嬉しい。このプログラムは、フィギュアスケート界で長く記録され、お手本とされるものになるでしょう。」


いやーお茶の間解説は相変わらずでしたwもう喋る喋る、めっちゃ喋る!www
ちょいちょい情報間違えてるけど、その適当なところもフランスらしくていっか!ってなっちゃう(笑)

そしてこの演技の後にネルソンとロロ様が羽生さんにインタビューしてるんだけど、訛りがきつすぎる英語だから羽生さんキョトンとしてたし、インタビューってよりは二人が興奮を羽生さんにぶつけてるって状態でカオスすぎて最高だったw


  • 台湾解説


演技終了後、

「今日の演技は一気呵成でとても完璧でした。会場は満員のファンたちが熱狂し、ファンたちのプレゼントを集めるのに時間がかかりそうです。」

「目下、世界ランク一位の羽生結弦は、やはりFSでとても素晴らしい演技を披露しました。彼はとても負けず嫌いな選手です。会場はスターのこの演技を見て、とても喜んでいます。」

「現在彼はSPで上位三人からやや遅れをとっていますが、このFSの演技で挽回できることを願ってます。」

「彼は目下、世界最高記録保持者で、総合得点でそれを超えるのは難しいですが、FSは更新するかもしれません。」

点数発表。

「技術点126.12、演技構成点97.08点………ワオ(笑)FS 223.20点。我々はまた新しい歴史が創られるのを目撃しました。」

ずっと淡々と喋ってた解説者が、点数を読み上げて思わず興奮しちゃったのが声に表れててめっちゃ可愛いですw

「はあ(溜息) 223.20点。このような点数は本当に、超えるのはとても難しいですね。ははっ(笑)グリーンルームにいる現在の上位三名も拍手で称えることしかできません!」


  • NBC(アメリカ)解説


演技前、

「彼はオリンピックチャンピオンよ。オリンピックチャンピオンらしい演技をするわ。彼の四回転は質が良くて、決まったときには美しいどころじゃないわ。」

「四回転は四本予定しています。その四本の四回転を完璧に着氷したら、GOEで+3が貰える。驚くべきスケーティングスキルだ。」

「彼はタイトルを取り戻したいでしょうね。SPでミスがあり一位とは約11点差があるけど、ユヅルなら取り戻せるポイントだと思うわ。彼には本当に才能があるもの。」

演技中、次々と鮮やかにジャンプを降りていく羽生さんを見て解説のタラが「んふ(笑)彼とっても良いわ(He is so good)」と(笑)

演技後、

「彼を見る度に『これ以上の出来はないだろう』が間違いだって思い知るよ!」

「本物のオリンピックチャンピオン。本当に素晴らしかった。彼は全てを持っている。難解で確かなテクニックと、ユニークなスケーティングスタイル、そして美しくエクセレントなスキル」

「全てがとても素晴らしくまとまっていたね。あらゆる意味で。美しいジャンプを決める技術、特にこのFSではとても軸がしっかりしている。彼には強靭でしなやかな軸がある。力強さとしなやかさ、芸術性、技術、彼は全てを兼ね備えていて、だからこそプリンス的で、メダルに値する。だから頂点にいる。」

「他の選手たちから抜きん出てるのはそういうところなんだ。観客席の最前列の人たちを見てよ。演技の終盤では涙を流していたよ。日本で彼はとても人気がある。だから沢山の人が彼を見るために日本から飛行機に乗って訪れる。」

「ユヅルハニュー。彼には全てを投げ打って熱狂するだけの価値があるよ。」

「テリー、あなたは彼にひれ伏さなきゃ(笑)この4Loを見てよ。こんなに難しのにこんなに楽々と…」

「驚くのはどのエレメンツでも無理な力が入ってないってことなんだ。まさに王者だよ。偉大なる王者だよ。全く羽生結弦の演技には驚くばかりだ」

点数発表後、

「これはとても敵わないんじゃないかしら」

「223.20点は世界最高の点数です。」

「当然のスコアでしょうね。だって彼は全て持ってるもの。全てのパッケージを。技術面でも、芸術性でも、それらが全て調和して一つになってる。それが素晴らしく美しい演技になってるのよ。」


ジョニーの声が相変わらず良い声。


  • CBC(カナダ)解説


3Fを決めた時、

「ただのシンプルな3Fだけど、コレオグラフィーの中に溶け込んで隠れている」


カートのこの言葉がこの3Fへの一番合った例えな気がする。
私が初めてホプレガ見た時に一番驚いたのが、このまるでステップの一つのような、助走も構えも全くなしのステップに溶け込んだ3Fですからね!!!やっぱりクワドに目が行きがちだからか、4S-3Tの大技前のジャンプだからかでこの驚き3Fがあまり誰にも触れられないのが悲しい!

演技後、

「このヘルシンキの氷上で、一人毅然として立っています」

「彼がゾーンに入ったら最後、集中力が全く途切れないのよね。日本の羽生結弦。彼はフィギュアスケート界のロックスターっていうのは冗談なんかじゃないのよ。まさに今みなさんご覧になった通りよ。」

「まるで大歓声を指揮してるみたいだね。」

「ノーミスの時っていうのは、何かが起こるものなんだ。傑作の瞬間とでもいうべきものが生み出される。彼は、プラスのGOEをつけない口実をジャッジに与えない。あらゆる演技のエレメンツでね。」

「スケーターは成熟した演技が出来るようになるまでは、時間がかかるものだけど、彼にはこれ以上の時間は必要ないわ。だってほら、彼はもう全てを持ってるもの。」

点数発表後、

「ものすごい高得点が出た!!!」

「SPでは五位だったけど、このスコアなら勝つでしょうね。」


カナダ解説がオーサーをイジるのは相変わらずで笑いました(笑)


  • スペイン解説


3A-1Lo-3S跳んだあとに、凄すぎて解説者が思わず笑っちゃってるのが(笑)
そして「ユヅルが優勝だわ」と。まさかのこの時点で断言!w

演技後、

「なんてことでしょう…。ひれ伏すしかないわ、セニュールハニュー!参りました!」

「恐ろしいわ、セニュール・ハニュー!」

「なんてことをやり遂げたの。なんて集中する能力がある人なの。なんて事を成し遂げたの!ユヅルハニューの成し遂げた事ときたら!!」

「こんなものを観たら何も言葉にできない、感動してしまって。技術面も凄いけど……なんて事、全てがパーフェクト!!全ての要素が加点ね、マイナスなところなんてないわ」

「見てよ、125点。技術点は125点を上回って、殆ど126点。これはFS219点を上回ったグランプリファイナルより高い!」

「その通りよ。一つ一つの技…ジャンプ、ステップ、スピン。本当に全ての、全てのエレメンツにジャッジはプラス評価をつけています。演技を楽しむ域にまで到達しました。なんというレベル、なんという落ち着き、そして何よりその精神力!」

「ほんとにこの最終グループの第一滑走というプレッシャーに打ち勝つ精神力…。もちろんこれ以上失うものはありませんでした。勝つためにとにかくやるしかなかった。この滑りで見せた技術、身のこなし、これ以上ない美しいジャンプ、何もかもなんて素晴らしい。バリエーションのあるスピン、ステップシークエンス、当然レベル4です。スピンは全てレベル4。なんて楽しいの。」

「ほんと、こんな演技が見られるなんて、驚異的だわ。」

「五位から始まった最終グループだけど、さあ、どうなるかしら。ねえ、この超高難度プログラム、最初から最後までノーミスするのは難しいわ。でも見て。この集中力、コントロール、滑らかで、たよとうような滑り。その上、一つ一つのジャンプで軸が全くブレてない。4S-3T。いとも簡単に、一体どうやって…」

「それにしても素晴らしいわ!ほんと素晴らしい!羽生結弦史上最高の演技。全く彼には驚かされっぱなしね。」

「なんて繊細で穏やか。彼にはほんと癒されるわ」

「それにこうしていつもブライアンとトレーシーへの感謝を忘れない」
オーサーがキスクラでゆづに「ただただ美しかった」と言うのを聞いて、

「『ただただ、美しかった』って本当、まさにみんなが思ってることね!」
点数発表後、

「223.20点!なんてこと!!223.20点よ!!!」

「凄いわ、ユヅルハニュー!!一位に躍り出ました!」


GPFがバルセロナ開催でその時にスペイン解説を聞いた時も思ったけど、スペインはいつも他国の選手でもべた褒めしてくれてて嬉しい。自国のハビが滑る前に「ユヅルが優勝よ」と断言してたのには流石に驚いたけどw、その公平さは素晴らしい。


  • ドイツ解説


演技後、

「やあ、全く!こんなことになるとは……。さあ、視聴者の皆さん。我々は、羽生結弦の信じられない演技の立会人になりました。」

「鳥肌ものの演技だったし、泣いてる人がいるのもよくわかります。僕は全て理解できます。本当に、普通ではあり得ない出来事だし、普通ではあり得ないFSでした。」

「全くミスなしの演技で、素晴らしいチャンピオンの姿を見せつけました。」

「僕ははっきり言うけど、これから演技する選手は、かなり大変だろう。本当に凄く大変だと思う。」

「そう、彼の音楽の表現は、SPではプリンスの音楽のようにノリノリになるわけではないけど、彼は信じられないほどの技術を使って、誰もなしえなかった表現をした。とにかく彼のベストスコアーである219点は超えるだろう。」

「ここで皆さんに言いたいのは、全ての日本的要素が絡まって、それは音楽、演技、演奏、表現、輝きであり、ここヘルシンキでそれら全てが羽生結弦に光り輝きました。」

「ヘドリック、もう20年もやってるけど、数年に一度こういう体験があって、何とか抑えようとしてもとても普通ではいられなくなる。信じられない、全くもう!!!」

「僕は何年か前のオリンピック後、同じような状況での、さいたまのFSの闘いをちょっと思い出したよ。あの時は全身全霊で最後まで戦っていたけれど、今日は信じられないほど楽々と軽やかで、ひょっとしたらもう一度、4分半滑れそうな印象を持った。それが今日の羽生結弦に対して、一番心に残ったことだ。」

点数発表後、

「そう、223.20点。彼のFSで一番いい演技だ。」

「羽生は汗かいてるけど、その中に涙も混じってるはずだよ。はっはっは(笑)」

「考えられないほど、素晴らしい!ワオ!」


解説者達も2014年のさいたまワールドについて触れてくれたけど、私もドイツ解説と言われて真っ先に思い出すのがさいたまワールドの羽生さんのFSのドイツ解説なんです。

あの時、まさに「全身全霊」でFSを滑りきった彼に、ドイツ解説の人たちが「もういいよ」「もう十分だ」と言ったのが忘れられない。その言葉を聞いて、その言葉の温かさと優しさに思わず涙が出たことも忘れられない。

確かに彼らに「もう十分だ」と、「もう十分頑張った」と言われながらFSを何とかノーミスで滑って三位から逆転優勝したさいたまワールドと、あの時より何倍も何度もあげた高難度プログラムをまるで簡単に”見えるように”、完璧に滑りきって五位から逆転優勝した今回のヘルシンキワールドは、勝ち方は一緒のようで内容が違う。

あの時はシーズン通して決まってなかった冒頭の4Sを何とか決めて、ソチ後で周囲の状況も期待も格段に変わり戸惑いながら死にものぐるいで勝利を掴んだけれど、今では三年前は全然決まらなかった4Sが嘘ように格段に成功率が上がり、FSでなんと二本も入れるようになった。

それだけじゃなく何度の高いFSを最後までしっかり滑り切る体力までついて、三年間で本当に沢山沢山成長したんだなあと感慨深くなってしまった……。

冷静で温かいドイツ解説、相変わらず素敵でした。


  • BBC(イギリス)実況


演技後、

「震えちゃうね。」

「完璧で甘美」

「あくまでも冷静で落ち着き払って、もう何か別次元で特別なものでした。」

「彼は凄い選手よ。圧倒されるような演技だった。」

「ものすごいスコアになるのは間違えないね。」

「なんてこった。センセーショナルなほど見事な演技だったよ。」

「間違えなく新たなチャンピオンが誕生するよ。」

「彼のこの技術は…繊細だよ、全く。彼には空中で舞い上がる時、もちろん体を押し上げてるんけど、ふわりと軽々舞い上がって、しかもエレガントなんだ。マイナスのGOEが付くようなジャンプは一つもない。まったく素晴らしい。」

「見てよ、彼の上半身にはいらない力が抜けて、スローモーションだからよく分かるだろう?いや、ジャンプに限らず、彼が滑っている時はいつも、上半身から無駄な力が抜けていて、とてもしなやかなんだ。肉体を完全にコントロールできてるよね。」

「彼はまだとても集中してるようね。」

キスクラでのオーサーの「ただただ美しかった」という言葉に「その通りだよ、ブライアン」「本当に美しい演技だった」と。

点数発表後、

「FSだけで223.20点?はっはっはっ。ヒッヒッヒ(笑)」

やっぱりめっちゃ笑う解説w

「新たなチャンピオンの誕生ね。ユヅルハニュー。2014年以来の金メダルです。でも史上最高のチャンピオンだわ。」

「いやあ、本当に凄かったよ。」

ここでもまだ後五人滑るのに金メダルを獲ると断言しちゃってるのが面白いです(笑)



滑る前、

「まず最初は羽生結弦。彼は素晴らしいスケーターで、世界中に沢山のサポーターがいます。このスポーツのスーパースターです。」

演技終盤、

「ここヘルシンキで、超ド級の点数を取って、最終的に優勝しようとしている。」

演技後、

「わお。これはもう絶対疑いなく今までのスケールを完全に壊してしまってた。」

「今まで見たことのない素晴らしいパフォーマンス。」

「TESを見て。完全に常識を覆している。観客は完全に興奮している。まるでロックコンサートかのようだ。」

「羽生はすでにFSでの世界記録を持っている。これは2015年GPFの219.48点を超えるだろう。これは、真剣に彼を再びチャンピオンに押し上げるだろう。」

「彼は本当に沢山のことを自分にSPの後課して成し遂げ、今後この後滑る五人にプレッシャーをかけた。彼らは少しもミスを許されなくなったことを知った。なぜならユヅルハニューが疑いもなく、このスポーツの世界最高に極めて近いことを知ったからだ。」

点数発表後、

「おっと、これは新記録だ。ユヅルハニューは新記録を打ち立てた。」


  • ロシア解説②


演技が始まり、羽生さんが後半の4S-3Tを跳ぶところで「行け!」と。クワド四本目の4Tを跳ぶところで「頑張れ、ユヅル!頑張れ!」「ダバーイ!」と。

自国の選手でもないのに解説中にこれだけ羽生さんの成功を祈ってくれてることに感動した。

3A-1Lo-3Sを跳んだ時に「着氷!美青年!」って言ってたのが、ジャンプに関係なさすぎて(笑)

フィニッシュ時、

「(歓声が大きすぎて)音楽が聞こえない。音楽が聞こえないよ(笑)」

「やろうとしたことをやった。」

「怒ってる。」
「そう、彼を怒らせたんだね。」

「これはもちろん、四分半このようにエネルギーに満ちて、自分を保ち続ける驚くべき能力だ。そもそも、どの瞬間にもこの最も大変なプログラムを損なうことはできない。」

「アンドレイ。今、思い出すんだけど……」

「美青年。本当に。」

エフゲニー・プルシェンコもこのように滑ったね。」

「ダー、ダー。」

「私はその時に『エフゲニー・プルシェンコを怒らせちゃいけない』って言ったんだ。彼はあのように滑り、全てを100%でやった。」

「私にはこんな考えが浮かぶ。彼とプルシェンコはこの点で似ている。彼らは出て行って、エネルギーに満ちて、みんなを恐れさせることができる。ハニューはそうだ。」

「もちろん今、とんでもない数字が出るだろう。とんでもない数字が。そして……、残念だ。唯一残念なのはもちろん、彼のライバル達みんなが彼の演技を見ているわけではないのを彼は残念に思っているだろう。だってこのような演技の後では普通……」

「控え室で聞こえてると思うよ。」

「彼らには聞こえている。でもこのようなノックダウン、ノックアウトの後では、立ち上がれないよ。」

「ユヅルハニューは私たちに最も難しい組み合わせを披露してみせた。後半の4S-3T、4T、3A-2T、3A-1Lo-3S、本当にクレイジーな組み合わせだ。クレイジーなエレメンツの集合。なぜ彼は後半にそれを割り当てるのか?なぜって後半にすると1点に対して0.1点増えるから。基礎点で全てがより高くなる。」

「ああ……(溜息)仙台出身の22歳の青年。天才。フィギュアスケートの天才。」

点数発表後、

「223.20点!!!」

「ホッホー!」

「オーマイゴッド!」

待機室にいる選手達が映ったのを見て、

「レイノルズは目を閉じてしまった(笑)」

「コリャダは何だこの宇宙は、って感じだね(笑)」


とっても素敵解説。
にしても、ロシア解説からロシアの皇帝であるプルシェンコと羽生さんが似ているなんてお言葉がもらえるなんて光栄すぎません?

プルシェンコに憧れている羽生さんも絶対嬉しいはず!
確かにSPの結果が悪くて自分に失望しながらもその怒りをFSで思いっきりぶつけて素晴らしい演技ができるって点では羽生さんとプル様はとても似ている……(笑)

後、まさか奈々美先生や都築先生の名前を解説者の口から聞くとは思わなかった!よく調べてるいい解説。


動画のみ。

動画のみ。

動画のみ。

動画のみ。

動画のみ。

動画のみ。

動画のみ。


  • ブラジル解説

動画のみ。



FSの各国解説は以上。
動画についてる翻訳の文字起こしを勝手にさせてもらったけど、いつもいつも各国の解説を日本語で訳してくれる翻訳の女神様達に改めて感謝です…!!!

おまけでエキシの各国解説を少し。



  • フランス解説

演技前、

「正直に言って、客観的に見ても、今大会のカテゴリー全体の勝者と言っていいでしょう。」

「フィリップも同意見だと思いますが、今大会、我々が一番感動したのが彼であり、誰よりも一番、チャンピオンの称号に相応しかった。」

「彼はSPの後、五位でしかなかったのに、比類のない最高の演技で、誰も文句のつけようがない形で優勝したのよ。」

「ああ、誰もが(SPの結果を見て)彼が一番に上がれるなんて思わなかったのに、彼は僕らを裏切ってくれた。完全に騙されたよ(笑)」

「とにかくフィギュアスケート最良の時間だった。」

演技後、

「ハニューとその他大勢って感じだね。」

「本当にそうですね。アニックも言ったように先程のエフゲニア・メドベージュワ選手も素晴らしかったのですが、この白鳥のコレオグラフィーで踊るハニューはもう志高の域ですね。」

「ああ、もう彼は…本当に傑出したスケーターです。彼の昨日の演技は、アニック、フィリップが認めるように、フィギュアスケート史上最高のものだったと言っていいでしょう。


  • 中国解説


演技後、

「最も素敵な時期にいる羽生に出会え、幸運だと思います。」

「時が過ぎ去っても、そこに彼への想いはまだ残って刻んでいる。羽生選手に注いだ情熱を無にすることはない。」

「誰の青春とも時と共に去ってゆくものの、いつまでも記憶の中に羽生だけの場所が残っている。」

「今年の世界選手権で、ISUフリー最高得点をマークした羽生。一人間として、一番えらいのは他人を超えることではなく、自分自身を乗り越えることです。この意味では羽生は今回のFSで羽生自身を乗り越えました。」


ああ、なんていうか……。この中国解説の言葉の数々だけでもうそれ以上はなにも語らなくていい気がする。中国の解説者が短い時間の中でそれだけ全てを語ってくれてる。この言葉の数々だけで羽生さんの魅力が全て伝わる気がする。

本当に詩的で美しい言葉選び。また私の中で一生忘れられない言葉が出来てしまった。本当にありがとうございます。






こうやって各国の解説を勝手にまとめるといつも思うのが、羽生さんが日本だけではなく沢山の国から愛されているということ。

日本人じゃなくても羽生さんの成功を誰よりも願ってくれて、そして羽生さんが成功した時に一緒になって喜んでくれる人たちがこんなに沢山いるということ。

王者は確かに孤独で、孤高です。

羽生さんの場合は特にそう。
追いかけるものが過去の自分で、乗り越えなきゃいけないものが過去の自分の記録だなんて、想像しただけでゾッとする。


それでも彼は一人ではない。
そんな過酷な戦いに打ち勝った彼と一緒になって喜んでくれる人がこんなにも沢山いる。

羽生さんは孤高だけど、独りではない。
彼の戦いは確かにキツいものだと思うけど、彼自身に今の自分に対して辛いか?と問うと、彼は絶対に辛いとは言わない気がする。

寧ろ、幸せだ、と。
みんなの応援を受け止めて、みんなの応援に気付いた上で「僕は幸せ者です。」とニッコリと笑ってそう、言う彼を簡単に想像できた。

羽生結弦はスーパースターで世界中に愛されてる幸せ者だ。

そしてそんな彼を応援できてる私はもっともっと幸せ。

ありがとう。
いつも私の夢を叶えてくれてありがとう。
まだ見ぬ未知の世界を見せてくれてありがとう。
また私の夢を作ってくれて、ありがとう。

アスリートとしての戦う彼をどんな時でも目に焼き付けて、そんな彼を全力で応援できる幸せを噛み締めながら、私はまた彼と一歩前に進みたい。











4月1日の夜。

どうしようもない緊張と、拭っても消しきれない恐怖の中、私が見たものは。





誰よりも高いところに、誰よりも美しく堂々立つ、君の勇姿でした。

ヘルシンキでも、桜は、咲きました。